留学の準備をする話①
異国情緒あふれた丁寧な暮らしを。
そんなものを求めてる訳ではない。能力として、英語を喋れるようになって帰国したいだけなのだ。
考えてみると、行き詰まった後の選択肢として留学というのはありふれたものだ。逆張りの連続だった人生を送ってきた自分にとってはひどく似合わないように感じる。達観したふりをして努力する人を冷めた目で見る自分はもういない。ここからは僕のキラキラ大学生ライフが始まるのだ!
そんな訳もなく、三つ子の魂は永遠に。
つらつら未来の希望を書き連ねたところ申し訳ないが、全部嘘。その人の性質っていうのはきっと一生変わらないんだと思う。相変わらず、逆張りは続けるだろうし、いわゆるキラキラキャンパスライフを送ることもないだろう。ただ、少しだけ人に寄り添って生きていきたいと思った。
どこの国行くよ?
留学に行くにしてもまず決めなくてはいけないのはどこの国に行くか。親に金銭的な負担はかけたくない。ただ、英語の勉強をおろそかにはしたくない。ひとつも無駄にせず、血肉にして帰ってきたい。調べれるだけ調べる。少し苦手な陽気な方達の留学体験記を読み漁る。調べて、少なくとも僕の力の限り調べ切った結果、僕はフィリピンへと行くことにした。
バナナは嫌い。吉本ばななは好き。
幼い頃から果物は基本的になんでも好きだった。だけどバナナだけはどうしても好きになれなかった。食感とか、臭いとかじゃなくて、普通に味が駄目。パフェとかおしゃれなアイスにバナナが入っているのを見るとなんだか悲しい気持ちになったりもした。
なぜフィリピンののかと思う人もいるかもしれないが、今の非英語圏では東南アジア諸国に語学留学することは割と主流らしい。
第一に、金が安い。フィリピンの為替レートから見ると大金を払っているように見えるが、欧米諸国に比べて半額かそれ以上に安い。
第二に、マンツーマンレッスンが豊富だ。欧米諸国ではグループレッスンと称した20人程度の集団で授業をすることが一般的だそうだ。
さらに、一日当たりの授業数が多い。これらは僕の目的と完璧に一致した。目指すはフィリピン。スコールとバナナの国。地理の授業をもっと真面目に受けているんだった。
終わりに。
こうして僕の留学地は決定した。この時点で胃もたれするような気分だったが、まだ終わらない。留学とは、なすべきことを1つずつ丁寧に潰していった先にあるのだと、今思う。学生貧乏弾丸旅行とは何もかも違うことが、身に染みてわかった。